【非エンジニア向け】AIを「優秀な部下」として使いこなす方法 - ChatGPT活用で仕事が変わった話

はじめに:「いい感じにやっといて」が通じなかった
「ChatGPT、この資料いい感じにまとめて」
返ってきたのは、使えない文章の山でした。
「やっぱりAIなんてこんなもんか」
そう思って、しばらくChatGPTを放置していました。
でも、ある日ふと考えました。
「いい感じに」って、新人部下にも言わないよな
新人に仕事を頼む時、「いい感じにやっといて」とは言いません。目的、対象、形式、注意点を具体的に伝えますよね。
AIも同じだったんです。
使い方を変えたら、仕事の景色が一変しました。
この記事では、AIを「優秀な部下」として使いこなすための考え方と、すぐに使える実践テクニックを詳しく解説します。
この記事で得られること
✅ AIを「優秀な部下」として捉えるメンタルモデル
✅ AIに任せるべき仕事、任せてはいけない仕事の明確な線引き
✅ 「分解思考」で業務効率化する具体的な方法
✅ 失敗しないAI活用の4つのコツ
✅ 業務別・すぐに使えるプロンプトテンプレート15選
✅ よくある失敗パターンと対策
✅ AIツールの選び方(ChatGPT vs Claude vs その他)
第1章:AIは「優秀だけど経験の浅い部下」

上の図は、AIと人間の役割分担を示しています。左側がAIに任せる仕事、右側が人間がやるべき仕事です。この線引きを意識するだけで、AI活用の効果は劇的に変わります。
AIを使いこなすコツは、「優秀だけど経験の浅い新人部下」だと思うことです。
この比喩は単なる例え話ではありません。AIの特性を理解し、適切に使い分けるための実用的なフレームワークです。
AIの得意なこと(=新人でも任せられる仕事)
| 能力 | 具体例 | 活用シーン |
|---|---|---|
| 知識量が膨大 | 調べ物、情報整理 | 市場調査、競合分析 |
| 処理速度が速い | 大量の文章作成、データ整理 | 議事録作成、レポート下書き |
| 24時間稼働 | いつでも対応可能 | 深夜の急ぎ仕事、週末の準備 |
| 言語処理が得意 | 翻訳、要約、文章生成 | 英文メール、契約書要約 |
| 疲れない | 単調な作業を嫌がらない | データ入力、フォーマット変換 |
| パターン認識 | 類似事例の発見 | 過去事例の検索、テンプレート提案 |
上記のように、AIは「知識」「速度」「持久力」に優れています。人間が1時間かかる調査を5分で終わらせたり、100通のメール下書きを一気に生成したりできます。
AIの苦手なこと(=上司がやるべき仕事)
| 弱点 | 具体例 | なぜ人間が必要か |
|---|---|---|
| 会社の文脈を知らない | 暗黙のルール、過去の経緯 | 「うちの会社では」が通じない |
| 最新情報に弱い | 学習データ以降の出来事 | 2024年以降のニュースは不正確 |
| 嘘をつくことがある | ハルシネーション(事実でない回答) | 自信満々に間違える |
| 責任を取れない | 最終判断は人間の仕事 | 「AIが言ったから」は通用しない |
| 感情を読めない | 微妙なニュアンス | クレーム対応、謝罪文 |
| 創造的判断が苦手 | 0から1を生み出す | 新規事業の方向性決定 |
このテーブルが重要です。AIは「文脈」「最新情報」「責任」に弱い。だから丸投げは危険なんです。
新人に「いい感じに」と言っても、いい結果は出ない。AIも同じ。
「部下」として扱う具体的なマインドセット
1. 指示は具体的に
× 「この資料まとめて」
○ 「この資料を、経営会議用に3ページ以内で要約して。
- 現状の課題
- 提案内容
- 期待効果
の3点を含めて」
2. 背景情報を共有する
× 「メール書いて」
○ 「取引先の田中さんに送るメール。
田中さんは5年来のお付き合いで、いつもカジュアルなやり取り。
今回は納期遅延のお詫びなので、誠意を見せつつ今後の対策も伝えたい」
3. フィードバックを繰り返す
1回目:「もう少しフォーマルに」
2回目:「数字を入れて具体性を」
3回目:「完璧!これで行こう」
第2章:効率化の鍵は「分解思考」

AI活用で最も大切なのは、業務を細かく分解することです。
これを「分解思考」と呼んでいます。
なぜ分解が必要なのか
「資料作成」という仕事を丸ごとAIに任せると失敗します。なぜなら、AIは:
- あなたの会社の文化を知らない
- 読み手が誰か知らない
- 過去の資料のトーンを知らない
- 何を強調すべきか判断できない
でも、分解するとこうなります:
| ステップ | 内容 | AIに任せる? | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1 | 情報収集 | ✅ 任せられる | 調べ物は得意 |
| 2 | 構成の検討 | ✅ たたき台を作らせる | 複数案を素早く出せる |
| 3 | 文章の作成 | ✅ 任せられる | 下書きとして優秀 |
| 4 | 内容の確認・修正 | ❌ 人間がやる | 文脈判断が必要 |
| 5 | 最終調整 | ❌ 人間がやる | 責任を持つのは人間 |
5つのうち3つはAIに任せられる。
これが「分解思考」です。
分解思考の3ステップ
ステップ1:業務を工程に分ける
どんな業務も、複数の工程に分解できます。
例:「メール対応」
- メールを読む
- 内容を理解する
- 返信の方針を決める
- 文章を書く
- 誤字脱字をチェック
- 送信
ステップ2:各工程を 「AI向き」「人間向き」 に分類
| AI向き | 人間向き |
|---|---|
| 情報処理 | 判断 |
| 文章生成 | 責任 |
| パターン作業 | 感情が絡むもの |
| 翻訳・要約 | クリエイティブな発想 |
| データ整理 | 人間関係の調整 |
ステップ3:AI向きの工程だけAIに任せる
全部任せるのではなく、向いている部分だけ。
先ほどの「メール対応」なら:
- 1-2:人間が読んで理解
- 3:人間が方針決定
- 4:AIに下書きを依頼 ←ここだけAI
- 5:AIにチェックさせることも可能
- 6:人間が最終確認して送信
第3章:業務別・実践プロンプトテンプレート15選
ここからは、実際に使えるプロンプトテンプレートを業務別に紹介します。
すべてそのままコピペして使える形式にしています。
【メール作成】5つのテンプレート
1. ビジネスメール(標準)
以下の条件でビジネスメールを作成してください。
【宛先】
- 相手の名前:〇〇様
- 関係性:(取引先/社内/初対面など)
【目的】
(何を伝えたいか、何をしてほしいか)
【含める内容】
- ポイント1
- ポイント2
- ポイント3
【トーン】
(丁寧/カジュアル/フォーマル)
【文字数】
(〇〇文字程度)
使用例:
以下の条件でビジネスメールを作成してください。
【宛先】
- 相手の名前:田中様
- 関係性:3年来の取引先、普段はカジュアル
【目的】
納期が1週間遅れることのお詫びと、今後の対策を伝える
【含める内容】
- 遅延の理由(部品調達の遅れ)
- 新しい納期(来週金曜日)
- 再発防止策(サプライヤーの複数化)
【トーン】
誠意を見せつつ、信頼関係を損なわない程度にカジュアル
【文字数】
300文字程度
2. お詫びメール
以下の状況でお詫びメールを作成してください。
【状況】
何が起きたか:
相手への影響:
【お詫びのポイント】
- 事実の説明(言い訳にならないように)
- 現在の対応状況
- 今後の防止策
【相手との関係性】
(重要顧客/通常取引先/社内など)
【避けるべき表現】
(「〜ですが」など言い訳に聞こえる表現は避ける)
3. 依頼メール
以下の条件で依頼メールを作成してください。
【依頼内容】
何を:
いつまでに:
なぜ必要か:
【相手のメリット】
(相手にとっての利点があれば)
【断られた場合の代替案】
(あれば記載)
【トーン】
押しつけがましくなく、でも重要性は伝わるように
4. 報告メール
以下の条件で報告メールを作成してください。
【報告の種類】
(進捗報告/完了報告/問題報告)
【報告内容】
- 現状:
- 進捗:(%や具体的な数字)
- 課題:(あれば)
- 次のアクション:
【相手が知りたいこと】
(結論だけでいい/詳細も必要)
【添付資料の有無】
5. 英文メール
以下の日本語メールを英語に翻訳してください。
【元のメール】
(日本語のメール文をペースト)
【注意点】
- ビジネス英語として自然な表現に
- 日本語特有の曖昧な表現は明確に
- 敬語のニュアンスは適度に残す
【相手の国・文化】
(アメリカ/イギリス/非ネイティブなど)
【資料作成】4つのテンプレート
6. 企画書の構成案
以下のテーマで企画書の構成案を作成してください。
【テーマ】
(企画の概要)
【目的】
(この企画で何を達成したいか)
【想定読者】
(誰に向けた企画書か)
【含めるべきセクション案】
- 背景・課題
- 提案内容
- 期待効果
- スケジュール
- 予算
- リスクと対策
各セクションに何を書くべきか、箇条書きで提案してください。
7. 議事録作成
以下の会議メモから議事録を作成してください。
【会議メモ】
(箇条書きや走り書きをペースト)
【議事録のフォーマット】
1. 日時・場所・参加者
2. 議題
3. 決定事項(必ず明記)
4. 各議題の議論内容(要点のみ)
5. 次回アクション(担当者・期限付き)
【注意点】
- 決定事項と検討中の事項は明確に分ける
- 誰が何を言ったかより、何が決まったかを重視
8. プレゼン資料のアウトライン
以下のテーマでプレゼン資料のアウトラインを作成してください。
【テーマ】
(プレゼンの主題)
【プレゼン時間】
(〇分)
【聴衆】
(誰に向けて話すか)
【ゴール】
(聴衆にどんな行動を取ってほしいか)
【スライド枚数の目安】
(〇枚程度)
各スライドに記載する内容を箇条書きで提案してください。
1スライド1メッセージを心がけてください。
9. 報告書の要約
以下の報告書を要約してください。
【元の報告書】
(長文をペースト)
【要約の目的】
(経営会議用/チーム共有用/記録用)
【要約の長さ】
(〇文字程度/〇ページ程度)
【必ず含める内容】
- 結論
- 主要な数字
- 次のアクション
【省略してよい内容】
- 詳細な経緯
- 参考情報
【調査・分析】3つのテンプレート
10. 市場調査
以下のテーマで市場調査のたたき台を作成してください。
【調査テーマ】
(業界や市場)
【知りたいこと】
- 市場規模と成長率
- 主要プレイヤー
- トレンド
- 課題や機会
【出力形式】
- 各項目を箇条書きで
- 可能であれば数字やデータを含める
- 情報の確実性が低い場合は明記
【注意】
最新情報は別途確認が必要なことを理解しています。
概要把握のためのたたき台として使用します。
11. 競合分析
以下の観点で競合分析を行ってください。
【自社】
(自社の概要、強み)
【競合】
- 競合A:
- 競合B:
- 競合C:
【比較観点】
- 製品/サービスの特徴
- 価格帯
- ターゲット顧客
- 強み/弱み
【出力形式】
比較表形式でお願いします。
12. 業界トレンド調査
〇〇業界の最新トレンドについて教えてください。
【知りたい観点】
1. 技術的なトレンド
2. 消費者行動の変化
3. 規制・法律の動向
4. 新規参入者の動き
【出力形式】
- 各トレンドを100文字程度で説明
- 重要度順に並べる
- 具体的な企業名や事例があれば含める
【注意】
2024年以降の最新情報は不正確な可能性があるため、
概要把握の参考として使用します。
【アイデア出し】3つのテンプレート
13. ブレインストーミング
以下のテーマでアイデアを出してください。
【テーマ】
(課題やお題)
【制約条件】
- 予算:
- 期間:
- 人員:
- その他:
【出力形式】
- 現実的なアイデア:5個
- 少しチャレンジングなアイデア:3個
- 制約を無視した突飛なアイデア:2個
各アイデアに「実現可能性」と「インパクト」を
高/中/低で評価してください。
14. 問題解決
以下の問題を解決するためのアプローチを提案してください。
【問題】
(具体的な問題の説明)
【現状】
- 何が起きているか:
- いつから:
- 影響範囲:
【試したこと】
(既に試した解決策があれば)
【制約】
(予算、時間、人員などの制限)
【出力形式】
1. 問題の根本原因の仮説(3つ)
2. 各原因に対する解決策
3. 優先順位とその理由
15. 新規事業アイデア
以下の条件で新規事業のアイデアを提案してください。
【自社の強み】
(技術、顧客基盤、ブランドなど)
【活用したいリソース】
(人材、設備、データなど)
【避けたい領域】
(競合が強い領域、リスクが高い領域など)
【出力形式】
各アイデアについて以下を記載:
- 事業概要(100文字)
- ターゲット顧客
- 収益モデル
- 自社の強みとの関連性
- 想定リスク
第4章:AI活用で失敗しない4つのコツ
コツ1:丸投げしない
AIの出力は必ず確認。特に数字や事実関係は要チェック。
AIは自信満々に嘘をつくことがあります(ハルシネーション)。
危険な例:
- 「この会社は2020年に設立されました」→ 嘘かもしれない
- 「市場規模は500億円です」→ 根拠がないかもしれない
- 「〇〇法では〜と定められています」→ 古い情報かもしれない
対策:
- 数字は必ず一次ソースで確認
- 法律・規制は専門家や公式サイトで確認
- 「〜だそうです」「〜と思われます」という曖昧な表現は要注意
コツ2:具体的に指示する
ダメな例:
いい感じにまとめて
良い例:
経営会議用に要約して。
- 形式:箇条書き5点
- 各項目:50文字以内
- 必須:具体的な数字を含める
- トーン:客観的、感情的な表現は避ける
具体的に指示すべき5つの要素:
| 要素 | 質問 | 例 |
|---|---|---|
| 目的 | なぜ作るのか | 経営会議での意思決定のため |
| 対象 | 誰が読むのか | 役員、技術に詳しくない人 |
| 形式 | どんな形で | 箇条書き、表、文章 |
| 長さ | どのくらい | 500文字、A4 1枚 |
| トーン | どんな雰囲気 | フォーマル、カジュアル |
コツ3:段階的に進める
一度に全部やらせず、ステップごとに確認しながら進める。
実践例:企画書作成
【1回目】
「〇〇の企画書を作りたい。まず構成案を3パターン提案して」
→ 確認・選択
【2回目】
「パターン2で進める。各セクションの要点を箇条書きで」
→ 確認・修正指示
【3回目】
「この内容で本文を書いて。まず『背景』セクションから」
→ 確認・修正
【4回目】
「次は『提案内容』セクション。さっきの続きで」
→ 繰り返し
なぜ段階的がいいのか:
- 軌道修正が容易 - 早い段階でズレに気づける
- 品質が上がる - 各段階でフィードバックできる
- 時間の節約 - 全部作り直しよりマシ
- 学習になる - AIの癖が分かってくる
コツ4:うまくいった指示は保存
効果的だった指示文(プロンプト)はテンプレート化して再利用。
保存すべきプロンプトの例:
- 毎週作成する週報のプロンプト
- 取引先へのメールテンプレート
- 議事録作成の定型プロンプト
- データ分析の依頼フォーマット
保存方法:
- Notionやメモアプリ - タグ付けして整理
- テキストファイル - prompt_templates.txt など
- ChatGPTのカスタム指示 - 毎回使う設定を保存
テンプレート例(週報):
【保存用プロンプト:週報作成】
以下の情報から週報を作成してください。
■ 今週やったこと
(箇条書きをここにペースト)
■ 来週やること
(箇条書きをここにペースト)
■ 課題・相談事項
(あれば記載)
【出力形式】
- 冒頭に3行サマリー
- 各項目は「成果」「進捗%」「次のアクション」を含める
- 300文字程度
第5章:プロンプトを磨く7つの実践テクニック
AI活用の成否は「プロンプト(指示の出し方)」で9割決まります。ここでは、すぐに使える実践テクニックを紹介します。
テクニック1:役割を与える(ロールプレイ)
AIに「役割」を与えると、回答の質が劇的に変わります。
基本形:
あなたは〇〇の専門家です。
実践例:
あなたは20年の経験を持つマーケティングコンサルタントです。
中小企業向けのSNS運用について、実践的なアドバイスをください。
効果的な役割の例:
- 「あなたは厳しいが的確なフィードバックをする編集者です」
- 「あなたはユーザー視点で考えるUXデザイナーです」
- 「あなたは複雑なことを簡単に説明できる先生です」
- 「あなたはリスクに敏感な法務担当者です」
なぜ効果的か: AIは膨大なテキストから学習しています。「マーケティングコンサルタント」と指定すると、その文脈に合った語彙や視点で回答するようになります。
テクニック2:具体例を見せる(Few-shot Learning)
「こんな形式で」と例を見せると、AIは形式を真似て回答します。
基本形:
以下の形式で回答してください。
【例】
入力:りんご
出力:🍎 果物の一種。赤や緑の品種があり、シャキシャキした食感が特徴。
【あなたの入力】
入力:〇〇
実践例(商品説明):
以下の形式で商品説明を書いてください。
【例1】
商品:ワイヤレスイヤホン
説明:通勤時間を音楽で彩る。ノイズキャンセリングで、満員電車でも自分だけの空間に。
【例2】
商品:スマートウォッチ
説明:健康管理を手首から。歩数、心拍、睡眠まで。気づいたら毎日チェックしてしまう。
【あなたの商品】
商品:電動歯ブラシ
ポイント:
- 例は2〜3個が最適
- 良い例と悪い例を両方見せるとさらに効果的
- 自分の過去の良いアウトプットを例として使う
テクニック3:制約条件を明示する
AIは「やってはいけないこと」を明示すると、より的確に応えます。
基本形:
以下の条件を守ってください:
- 〇〇は使わない
- 〇〇文字以内
- 〇〇な表現は避ける
実践例(プレゼン資料):
製品紹介のプレゼン資料を作成してください。
【守ってほしいこと】
- 専門用語は使わない(読者は技術者ではない)
- 1スライド1メッセージ
- 数字は必ずグラフで視覚化する想定で書く
【避けてほしいこと】
- 「革新的」「画期的」などの曖昧な表現
- 競合他社の批判
- 根拠のない数字
よく使う制約:
- 文字数制限(「200文字以内」)
- トーン指定(「カジュアルすぎない」)
- 禁止ワード(「絶対、必ず、などの断定表現は避ける」)
- 形式指定(「箇条書きではなく文章で」)
テクニック4:思考過程を見せてもらう(Chain of Thought)
複雑な問題は「考え方の過程」を出力させると精度が上がります。
基本形:
ステップバイステップで考えてください。
まず、〇〇について考え、次に〇〇を検討し、最後に結論を出してください。
実践例(価格設定):
新サービスの価格を決めたいです。ステップバイステップで考えてください。
【情報】
- サービス内容:月額制のオンライン学習プラットフォーム
- ターゲット:20-30代のビジネスパーソン
- 競合A:月額980円(動画コンテンツのみ)
- 競合B:月額2,980円(動画+コミュニティ)
- 自社の強み:1on1コーチング付き
【考えてほしい順序】
1. 競合との差別化ポイントを整理
2. ターゲットの支払い意欲を推定
3. 価格帯の選択肢を3つ提案
4. 各価格帯のメリット・デメリット
5. 推奨価格と理由
効果的な場面:
- 複数の要素を考慮する意思決定
- 論理的な分析が必要な問題
- 「なぜその結論?」を説明してほしい時
テクニック5:出力形式を指定する
形式を指定すると、そのまま使えるアウトプットが得られます。
よく使う形式指定:
| 形式 | 指定方法 | 用途 |
|---|---|---|
| 表形式 | 「表形式で出力して」「Markdownのテーブルで」 | 比較、一覧 |
| 箇条書き | 「箇条書き5点で」「番号付きリストで」 | 要点整理 |
| Q&A形式 | 「想定質問と回答の形で」 | FAQ作成 |
| 対話形式 | 「AさんとBさんの会話として」 | 説明資料 |
| JSON形式 | 「JSON形式で出力して」 | データ連携 |
実践例:
競合3社の比較を表形式で作成してください。
【比較項目】
- 価格
- 機能
- サポート体制
- 強み
- 弱み
【出力形式】
Markdownの表形式でお願いします。
テクニック6:反復改善する(Iterative Refinement)
一発で完璧を求めず、対話で磨いていく技術です。
基本的な流れ:
【1回目】
「〇〇について説明してください」
→ 大まかな回答を得る
【2回目】
「もう少し具体例を入れてください」
→ 具体性が増す
【3回目】
「専門用語をもっと減らして、中学生にも分かるように」
→ 分かりやすくなる
【4回目】
「この部分を300文字に圧縮して」
→ 最終形に
便利なフレーズ集:
| 目的 | フレーズ |
|---|---|
| 具体化 | 「もっと具体的に」「例を3つ挙げて」 |
| 簡潔化 | 「半分の長さに」「要点だけ」 |
| 詳細化 | 「〇〇の部分を詳しく」「深掘りして」 |
| 変換 | 「カジュアルに」「フォーマルに」 |
| 視点変更 | 「初心者向けに」「経営者目線で」 |
| 形式変更 | 「表にして」「箇条書きに」 |
テクニック7:複数案を出させて選ぶ
1つの正解を求めるより、複数案から選ぶ方が効率的です。
基本形:
〇〇について、3つのパターンを提案してください。
それぞれのメリット・デメリットも教えてください。
実践例(キャッチコピー):
新商品のキャッチコピーを5案考えてください。
【商品】
忙しいビジネスパーソン向けの完全栄養食
【条件】
- 15文字以内
- 「忙しい」「時短」は使わない
- ポジティブな印象
各案について、狙いと想定ターゲットも説明してください。
なぜ効果的か:
- 選択肢を見ることで、自分の好みが明確になる
- 良い部分を組み合わせて、さらに良い案を作れる
- 「これは違う」というフィードバックがしやすい
第6章:よくある失敗パターンと対策
失敗1:事実確認をしない
事例: 「AIが『この市場は年率15%で成長している』と言ったので、そのまま企画書に書いた。後日、上司に『この数字の出典は?』と聞かれて答えられなかった」
対策:
- 数字、日付、固有名詞は必ず一次ソースで確認
- AIの回答には「要確認:」とメモを添えてから使う
- 重要な情報は「この情報の出典を教えて」と追加質問
失敗2:曖昧な指示で不満を持つ
事例: 「『資料をまとめて』と頼んだら、期待と全然違うものが出てきた。AIは使えない」
対策: これはAIの問題ではなく、指示の問題。
- 目的、対象、形式、文字数、注意点を明示
- 「期待と違う」と思ったら、何が違うか具体的にフィードバック
- 最初から完璧を求めず、対話で改善
失敗3:AIに責任を求める
事例: 「AIが作った文章をそのまま送ったら、クレームになった。AIが悪い」
対策: 「AIが間違えた」は言い訳になりません。最終確認は人間の責任。
- AIは「道具」。使う側の責任を自覚する
- 外部に出すものは必ず人間がチェック
- ミスが起きたら、チェック体制を見直す
失敗4:機密情報を入力してしまう
事例: 「顧客の個人情報を含むデータをChatGPTに貼り付けて分析を依頼した」
対策:
- 個人情報、機密情報は入力しない
- 必要な場合はダミーデータに置き換え
- 会社のAI利用ポリシーを確認
- 企業向けプラン(ChatGPT Enterprise等)の利用を検討
失敗5:AIを過信しすぎる
事例: 「AIが『この方法がベスト』と言ったので、他の選択肢を検討しなかった」
対策:
- AIは「一つの意見」として捉える
- 重要な判断は複数の視点で検討
- 「他のアプローチもある?」と聞く習慣をつける
第7章:AIツールの選び方
主要ツールの比較
| ツール | 得意なこと | 苦手なこと | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 汎用性、会話の自然さ | 最新情報、長文の一貫性 | 日常的な文章作成、アイデア出し |
| Claude | 長文理解、論理的思考 | 画像生成 | 資料分析、複雑な文章作成 |
| Gemini | Google連携、最新情報 | 日本語の自然さ | 検索連携、データ分析 |
| Copilot | Office連携 | 単独での使用 | Word/Excel作業 |
使い分けの実例
文章作成 → ChatGPT または Claude
- 短い文章、カジュアルな内容 → ChatGPT
- 長文、論理的な文章 → Claude
調査・分析 → Gemini または Claude
- 最新情報が必要 → Gemini(検索連携)
- 長い資料の分析 → Claude(長文理解)
Office作業 → Copilot
- Excelの関数作成、Wordの文章編集
無料版と有料版の違い
ChatGPT
- 無料:GPT-3.5、基本機能
- 有料($20/月):GPT-4、画像生成、プラグイン
Claude
- 無料:基本機能、回数制限あり
- 有料($20/月):長文対応、優先アクセス
判断基準:
- 毎日使う → 有料版を検討
- 週数回程度 → 無料版で十分
- 仕事で本格活用 → 有料版推奨
第8章:部署別・業務別の活用シーン
営業部門
1. 提案書の下書き 顧客の課題と自社ソリューションを入力し、提案書のたたき台を作成
2. 商談前の業界研究 「〇〇業界の課題と、〇〇ソリューションが解決できる点」を調査
3. フォローメールの作成 商談内容をメモし、フォローアップメールを生成
人事部門
1. 求人票の作成 職務内容と求める人物像から、魅力的な求人票を作成
2. 面接質問の準備 職種に応じた面接質問リストを生成
3. 社内通知文の作成 制度変更などの通知文を、分かりやすく作成
マーケティング部門
1. コンテンツのアイデア出し ターゲット顧客の課題からコンテンツテーマを提案
2. SNS投稿の作成 商品情報から、プラットフォーム別の投稿文を生成
3. キャンペーン企画のブレスト 予算と目的から、キャンペーンアイデアを提案
経理・管理部門
1. 経費精算ルールの説明文 複雑な経費ルールを、社員向けに分かりやすく説明
2. 問い合わせ対応のテンプレート よくある質問への回答テンプレートを作成
3. 報告書の要約 長い報告書を、役員向けにエグゼクティブサマリー化
第9章:明日から始める3ステップ
ステップ1:今日やること
「AIに任せられそうな作業」を1つ見つける
今日の業務を振り返り、以下に当てはまる作業を探す:
- 定型的で繰り返しがある
- 文章を書く作業
- 調べ物をする作業
- アイデアを考える作業
例:
- 毎日のメール返信
- 週報の作成
- 会議の議事録
- 資料の要約
ステップ2:今週やること
その作業を「分解」して、AIに依頼してみる
- 作業を工程に分解
- AI向きの工程を特定
- この記事のテンプレートを使って依頼
- 結果を確認、修正を指示
- 最終版を仕上げる
ポイント:
- 最初は時間がかかって当然
- 「これなら自分でやった方が早い」と思っても続ける
- 3回目くらいからコツが掴める
ステップ3:今月やること
うまくいったプロンプトをテンプレート化
- 効果的だったプロンプトをコピー
- 固有名詞を「〇〇」に置き換え
- メモアプリに保存
- 次回以降はテンプレートを使う
1ヶ月後の目標:
- 5つ以上の業務でAIを活用
- 自分専用のプロンプトテンプレートが3つ以上
まとめ:AIは最高の「部下」になる
AIは万能ではありません。でも、使い方次第で最強のアシスタントになります。
ポイントのおさらい
✅ AIは「優秀だけど経験の浅い部下」
- 丸投げはNG、具体的に指示する
- 背景情報を共有する
- フィードバックを繰り返す
✅ 業務を分解して、AIに任せる部分を見つける
- 全部任せるのではなく、向いている工程だけ
- 情報収集、下書き、パターン作業がAI向き
- 判断、責任、感情が絡むものは人間
✅ 必ず確認する
- 数字、事実、固有名詞は要チェック
- 外部に出すものは人間が最終確認
- AIの回答は「一つの意見」として扱う
✅ 段階的に進める
- 一度に全部やらせない
- ステップごとに確認、修正
- 対話で品質を上げていく
「AIって難しそう」は、もう過去の話です。
新人部下に仕事を教えるように、AIにも丁寧に指示を出す。
それだけで、仕事の景色は変わります。
まずは1つ、小さなタスクから試してみませんか?
著者:てんちょー(合同会社QUEST 代表)
普段はSIerで経営企画部員として働きながら、週末起業で高校時代の友人と共同創業。「何をやるかも大事だけど、誰とやるか」を起点に、AI活用・業務効率化のコンサルティングを展開しています。
- コーポレートサイト:https://llc-quest.com
- Twitter (X):https://x.com/questceo_ai

