【実録】100万円かかると思っていた新規事業を30万円で立ち上げた方法 - コスト内訳と技術スタック完全公開

はじめに - 新規事業に100万円は本当に必要か
「新規事業を立ち上げるには、最低でも100万円は必要」——そう思っていませんか?
私も1年前まではそう思っていました。実際、開発会社に見積もりを取ると「200万円〜」と言われることがほとんどです。しかし、私たちは30万円以下で、実際に収益を生むプロダクトを立ち上げました。
この記事では、その具体的な内訳と方法をすべて公開します。「嘘だろ」と思うかもしれませんが、これは実際に私たちが経験したリアルな数字です。
この記事で得られること
- 30万円で立ち上げた新規事業の具体的なコスト内訳
- なぜ従来の1/10のコストで実現できたのかの技術的解説
- 使用した技術スタックとその選定理由
- 具体的な開発フローとタイムライン
- 低コスト開発で「やってはいけないこと」
- 自社開発・外注・SaaSの比較
第1章: 実例① - AI記事生成システム「Press Starter」
私たちが最初に開発したプロダクトを紹介します。
Press Starterとは
Press Starterは、以下の機能を持つAI記事生成システムです。
- Claude 4.5 Sonnetによる高品質な記事自動生成
- WordPress、note、PR Timesへの自動投稿
- DALL-Eによるサムネイル自動生成
- スケジューラーによる予約公開
- 自社情報DBにより記事に独自性を自動付与
- SEOキーワード分析と最適化提案
開発会社に依頼した場合の見積もり
複数の開発会社に見積もりを取った結果は以下の通りです。
| 会社 | 見積金額 | 開発期間 |
|---|---|---|
| A社 | 480万円 | 4ヶ月 |
| B社 | 350万円 | 3ヶ月 |
| C社 | 280万円 | 3ヶ月 |
| 平均 | 約370万円 | 3.3ヶ月 |
さらに、月額保守費用として5〜10万円が別途必要とのことでした。
実際にかかったコスト

初期開発コスト: 約15万円
| 項目 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| Claude Code利用料 | 約4万円 | 5週間の開発、月額$200≒3万円×1.5ヶ月 |
| Claude API利用料 | 約5万円 | 開発中のテスト+本番初期運用 |
| ドメイン・SSL | 約5千円 | 年間費用 |
| 開発補助ツール | 約5万円 | Figma、テスト環境等 |
| 合計 | 約15万円 |
月額ランニングコスト: 約1万円
| 項目 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| Vercel | $0〜20 | Hobby無料、商用はPro必須 |
| Supabase | $0 | Free Tier内 |
| Claude API | 従量課金 | 1記事あたり約50〜100円 |
| 月30記事生成時 | 約1万円 |
注意: Vercel Hobbyプランは非商用限定です。商用利用の場合はProプラン(月額$20)が必要です。Supabase Free Tierは500MBまで、月間5GBの帯域制限があります。
開発期間とフロー
開発は5週間で完了しました。
| 週 | 作業内容 |
|---|---|
| Week 1 | 要件定義・設計・環境構築 |
| Week 2 | 記事生成エンジン開発 |
| Week 3 | WordPress/note連携実装 |
| Week 4 | UI/UX改善とテスト |
| Week 5 | 本番デプロイと微調整 |
技術スタック
| カテゴリ | 技術 |
|---|---|
| フロントエンド | Next.js 14.0.4(App Router)、TypeScript 5.3、Tailwind CSS 3.4、shadcn/ui(Radix UI)、Framer Motion、Lucide React |
| バックエンド | Supabase(PostgreSQL、Auth、Storage、Edge Functions)、Vercel Edge Runtime |
| 外部API | Claude API(claude-3-5-sonnet-20241022)、WordPress REST API、note API、OpenAI DALL-E 3 |
| インフラ | Vercel、GitHub、GitHub Actions |
第2章: 実例② - 自社CRM「QUESTBook」
もう1つの事例として、自社の顧客・案件管理システムを紹介します。
QUESTBookとは
QUESTBookは自社の顧客・案件管理システムで、以下の機能を備えています。
- 顧客管理: 会社・担当者情報
- 案件管理: パイプライン表示とステータス管理
- 見積書生成: PDF自動生成とテンプレート管理
- 請求管理: 請求書発行と入金追跡
- 通知連携: Slack/メール通知
SaaSとの比較
市販CRMツールの月額費用を調べました。
| ツール | 月額費用/ユーザー | 5ユーザー年間 |
|---|---|---|
| Salesforce Essentials | 3,000円 | 18万円 |
| HubSpot Starter | 2,400円 | 14.4万円 |
| Zoho CRM Standard | 1,680円 | 10万円 |
| kintone | 1,500円 | 9万円 |
自社開発との5年間コスト比較
| 項目 | SaaS(HubSpot) | 自社開発 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | 約10万円 |
| 月額費用 | 12,000円(5人) | 約0円 |
| 年間コスト | 14.4万円 | 約0円 |
| 5年間総額 | 72万円 | 10万円 |
5年間で62万円の差額が生まれます。
開発コスト内訳

初期開発コスト: 約10万円
| 項目 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| Claude Code利用料 | 約1.5万円 | 2週間の集中開発、月額$200の約半月分 |
| Claude API利用料 | 約3万円 | テストとPDF生成用 |
| その他 | 約5万円 | ドメイン、開発ツール |
| 合計 | 約10万円 |
月額ランニングコスト: ほぼ0円
| 項目 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| Vercel | $0 | Hobbyプラン(社内ツールのため無料) |
| Supabase | $0 | Free Tier内 |
| 合計 | 約0円 |
開発期間
開発は2週間で完了しました。
| 日程 | 作業内容 |
|---|---|
| Day 1-3 | 要件定義とDB設計 |
| Day 4-7 | 顧客・案件管理機能 |
| Day 8-10 | 見積書・請求書生成 |
| Day 11-14 | Slack連携・テスト・デプロイ |
第3章: なぜ1/10のコストで実現できたのか
ここからは、コスト削減の具体的な理由を技術的に解説します。
理由1: 人件費がほぼゼロ
従来の開発費用構造(人件費が80%)
| 人員 | 月額 | 3ヶ月合計 |
|---|---|---|
| PM | 80万円 | 240万円 |
| エンジニア×2 | 60万円×2 | 360万円 |
| デザイナー | 50万円 | 150万円 |
| 人件費合計 | 約750万円 |
AI活用後の費用構造
| 項目 | 割合 | 金額 |
|---|---|---|
| AI利用料 | 60% | Claude Code月額約3万円 |
| インフラ | 30% | 無料枠活用で実質数千円 |
| その他 | 10% | ドメイン等 |
| 合計(1ヶ月) | 約15万円 |
理由2: インフラ費用がほぼ無料
2025年現在、多くのサービスが充実した無料枠を提供しています。
| サービス | 無料枠 | 超過時 |
|---|---|---|
| Vercel | 月100GB帯域、100デプロイ | Pro $20/月 |
| Supabase | 500MB DB、5GB帯域 | Pro $25/月 |
| Cloudflare | 無制限CDN | - |
| GitHub | 無制限リポジトリ | - |
| GitHub Actions | 月2000分 | - |
重要: これらの無料枠には制限があります。Vercel Hobbyは非商用限定、Supabase Freeは7日間の非アクティブで一時停止されます。詳細は各サービスの公式ドキュメントをご確認ください。
小〜中規模のサービスなら、これらの無料枠で十分運用可能です。
理由3: MVPに集中した
最初から完璧を目指さず、「最小限の機能で市場に出す」ことを優先しました。
| フェーズ | 機能 |
|---|---|
| MVP(リリース時) | 記事生成の基本機能、WordPress投稿、シンプルなUI |
| 1ヶ月後 | note連携、サムネイル生成、予約投稿 |
| 3ヶ月後 | SEO最適化、自社情報DB、分析ダッシュボード |
ポイント: 最初から全機能を作ろうとすると、開発期間が3倍、コストが5倍になっていた可能性があります。
第4章: 低コスト開発で「やってはいけないこと」

安く作れることは魅力的ですが、注意点もあります。
NG1: セキュリティを軽視する
AIが書いたコードをそのまま使うと、セキュリティホールが残っていることがあります。
必ず確認すべきこと:
- 認証チェックが実装されているか
- 他人のデータにアクセスできないか
- SQLインジェクションやXSSの脆弱性がないか
テスト方法:
- 未ログイン状態でAPIを叩いてみる
- 他人のIDでアクセスしてみる
- 特殊文字を入力してみる
NG2: 最初から完璧を目指す
機能を盛り込みすぎると失敗します。
| アプローチ | 結果 |
|---|---|
| 「全部必要」 | 6ヶ月経っても完成せず、費用500万円超過、市場環境が変化 |
| MVP思考 | 2週間で完成、費用20万円、すぐに市場投入してフィードバック取得 |
NG3: 一人で抱え込む
AIを使えば一人でも開発できますが、判断に迷う場面があります。
- このアーキテクチャで大丈夫か?
- セキュリティ的に問題ないか?
- スケールしたときに耐えられるか?
解決策:
- AIにレビューを依頼する
- エンジニアの知人に設計レビュー(2〜3時間、数万円)
- 脆弱性診断サービスやコードレビューサービスを活用
第5章: 自社開発 vs 外注 vs SaaSの選び方
どの方法が最適かは、状況によって異なります。
比較表
| 項目 | 自社開発(AI活用) | 外注 | SaaS |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 10〜30万円 | 200〜500万円 | 0円 |
| 月額費用 | 0〜2万円 | 5〜10万円 | 1〜10万円 |
| 開発期間 | 2〜4週間 | 2〜4ヶ月 | 即日 |
| カスタマイズ | 自由自在 | 追加費用 | 制限あり |
| 保守運用 | 自社 | 外注先 | SaaS事業者 |
| 技術リスク | 自社負担 | 外注先負担 | SaaS事業者負担 |
それぞれが向いているケース
| 方法 | 向いているケース |
|---|---|
| 自社開発 | 独自の業務フロー、長期利用(5年以上)、頻繁なカスタマイズ、コスト重視、技術に興味あり |
| 外注 | 大規模・複雑システム、厳しいセキュリティ要件、技術者不在、短期確実、保守委託希望 |
| SaaS | 標準的な業務フロー、すぐに使いたい、試しに使いたい、初期投資抑制、保守不要 |
第6章: 具体的な始め方
Step 1: アイデアを言語化する
以下のフォーマットで整理しましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プロダクト名 | ○○管理システム |
| 解決する課題 | 現在は○○で管理しているが限界がある |
| ターゲット | ○○業界の中小企業、従業員○〜○名規模 |
| 必要な機能(MVP) | ①○○一覧表示 ②○○管理 ③○○連携 |
| 予算 | 初期○万円以内、月額○万円以内 |
| 期間 | ○週間以内にMVPリリース |
Step 2: 技術スタックを決める
2025年版の推奨スタックです。
| カテゴリ | 推奨技術 | 理由 |
|---|---|---|
| フロントエンド | Next.js 14(App Router) | 無料枠充実、ドキュメント豊富 |
| 言語 | TypeScript | Claude Codeが得意 |
| スタイル | Tailwind CSS、shadcn/ui | 高速開発 |
| バックエンド | Supabase | DB + Auth + Storageが無料 |
| ホスティング | Vercel | デプロイが簡単 |
Step 3: 開発環境を準備する
- Node.js v18以上、npm、gitをインストール
- Claude Codeのアカウントを作成してAPIキーを取得
npx create-next-app@latest my-project --typescript --tailwind --eslintnpx supabase initでSupabaseをセットアップ
Step 4: MVPを開発する
| 週 | 作業内容 |
|---|---|
| Week 1 | 環境構築と認証機能 |
| Week 2 | コア機能(CRUD) |
| Week 3 | UI/UX改善 |
| Week 4 | テストとデプロイ |
Step 5: 市場投入・改善
リリース後は以下を繰り返します。
- ユーザーフィードバックを収集
- 優先度の高い改善を実施
- 機能追加は慎重に、セキュリティアップデートは迅速に
まとめ
新規事業に100万円は必要ない
| プロダクト | 実際のコスト | 従来見積もり | 削減率 |
|---|---|---|---|
| Press Starter | 15万円 | 370万円 | 96% |
| QUESTBook | 10万円 | 72万円(SaaS 5年) | 86% |
コスト削減の3つの理由
- 人件費がほぼゼロ: AIがコード生成
- インフラ費用がほぼ無料: 無料枠活用
- MVPに集中: 必要最小限から始める
ただし注意点もある
- セキュリティは必ずチェック
- 最初から完璧を目指さない
- 壁打ち相手・レビュアーは必要
選択肢を比較して決める
- 自社開発: 長期利用・カスタマイズ重視
- 外注: 大規模・複雑・保守委託
- SaaS: 標準業務・すぐ使いたい
次のステップ
「30万円でどこまでできるか知りたい」——そう思った方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちは実際に30万円以下で複数のプロダクトを立ち上げた実績があります。あなたのアイデアも、同じように形にできるかもしれません。
参考リンク
著者情報
てんちょー(合同会社QUEST 代表)
普段はSIerで経営企画部員として働きながら、週末起業で高校時代の友人と共同創業。「何をやるかも大事だけど、誰とやるか(生きるか)を起点に」多岐にわたるビジネスを展開しています。
- 🌐 コーポレートサイト: https://llc-quest.com
- 🐦 Twitter (X): @questceo_ai
- 📝 note: questceo_ai
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